ローマのくそ野郎
「ながと~も」
ローマの観光名所で親しげに日本最強のSBの名前を持って声をかけてくるやつがいたら、そいつは十中八九くそ野郎だ。
ローマにはくそ野郎がたくさんいる。
あまりにも有名なのが、ミサンガくそ野郎。
エヴァばりに「サービスサービス♪」と言いながら、手首に無理やりミサンガを巻いてくる連中だ。
巻かれたら最後、「はい、10ユーロ」みたいにお金を請求される。
地球の歩き方はもちろん、日本大使館も情報を出している公式くそ野郎だ。
言わせてもらおう。
奴らは日本人を舐めている。
「長友~、香川~」
「大阪?東京?」
と話しかければ、日本人が喜ぶと思っている。
実際に喜ぶ日本人がいるからこそ、奴らはそのやり方を変えないのだろう。
先日も、スペイン広場で奴らに目を付けられてしまった。
嫁が奴らに対し、「tokyo♡」と反応をしてしまったからだ。
ミサンガくそ野郎が私の腕をつかみ、ミサンガの輪っかを通そうとしてくる。
ミサンガの柄は、イタリアカラーだった。
三本の糸を編み合わせた、女子マネージャーがつくってくれそうなそれだ。
「ふざけるな」と思った。
女子高生のミサンガなら円安を考慮したうえで20ユーロ出してもよい。
しかし、ミサンガくそ野郎のミサンガ(装着サービス付)には円高になったとしても一銭も払いたくないと思った。
だから、私は「サワホマレ!」とだけ言い、奴の手を強く振りほどいた。
完全勝利だった。
その後も、薔薇売りくそ野郎や駅の券売機に出没する親切くそ野郎、セルフィくそ野郎とのバトルもあったが、ここでは割愛しておく。
ciao